ロードバイクに予備知識を持たない、僕がロード乗りだとも知らない人から、こう言われたことがある。
「ヘルメット被って速そうな自転車に乗っている人は信号守るし結構ちゃんとしているんだけどね」
「おいおい、それはない」と突っ込む人もいるかもしれないけれど、僕がそう言われたのは事実だ。「へえ、そうですか」と応えた僕に彼はこう言葉を続けた。「目立つからさ、印象に残るんだよね」
少なくとも彼が自分の行動範囲の中で見かけた「ヘルメットを被って速そうな自転車に乗っている人」はちゃんと交通ルールを守り、それは彼の印象に残ったわけだ。ああ、そうだよね、と僕は思う。
ロードバイク乗りは目立つ。だから僕らがちょっと頑張れば、まだマイノリティで、かつ目立つ存在であるがゆえに、世の中の「ロード乗りの印象」を変えていけるのではないかと思うのだ。東京→糸魚川ファストランの数多くの参加者・参加チームの中でチームアスペンさんが印象に残るように。ロード乗りは自分が目立つということにもっと自覚的であるべきだ。
「自分はちゃんと走っているけど一部の傍若無人な走りをする輩のせいで台無しだ」という意見もある。確かにそれはある。でも追いかけていってつかまえて説教する?交差点に立ち、信号無視をする輩に注意する?それはなかなか出来る事じゃない(時々、信号無視の自転車の後ろ姿に「信号守れ」と怒鳴ったりするけれど)。僕らが一番簡単に出来ることは、自分が目立つということを自覚し、自分がちゃんと走る事だ。
すべての自転車乗りの意識を変えていくことは容易な事じゃない。しかも何かアクシデントがあればマイノリティは非を押しつけられがちだ。マスコミの自転車に関する報道姿勢を見ればそれは明らかだ。しかしそれを嘆いていても始まらない。
まずは自分の行動範囲の中で「ヘルメットを被って速そうな自転車に乗っている人にはちゃんとした人もいる」と思われたい。そしてやがて「ヘルメットを被って速そうな自転車に乗っている人にはちゃんとした人が多い」と思われるようになりたい。そして傍若無人な輩をマイノリティの中のさらに少数派に追いやりたい。やがてすべての自転車乗りの中で「ヘルメットを被って速そうな自転車に乗っている人はちゃんとしている」と思われたいと思うのだ。「こいつらはちゃんと走る」と思われれば尊重されるし車道でも必ず走りやすくなる。自転車のなかでロードバイクだけを区別して考えることは本位ではないけれど、一般の自転車とは走り方が全く違うのだから、まずは自分たちからだと思う。
何度かこのブログでも紹介したけれど、自分たちがどんどん走る事で世の中の自転車に対する認識をかえていこうと活動しているのがthink bikesだ。彼らの考え方は僕の考え方と極めて近い(だから応援している)。彼らの活動や広報がうまくいっているかは見解がわかれるところだけど、それでも自分たちが走ることで何かを変えたいという気持ちは応援したい。そしてこういった活動に参加しなくても、先に書いたように「まず自分が目立つことを自覚してちゃんと走る」という意識を改めて皆に持ってもらえればと思う。そんなことを糸魚川からの帰りの電車の中で考えたのでした。
自転車的出来事その1:東京→糸魚川ファストランと帰りの電車に中で思ったこと - 自転車で遠くへ行きたい。 (via pdl2h) (via otsune)
